婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 家を出てティダ共和国に移住したサーラにとって、父はもう父ではない。
 でもあの国には、大切な人達がいる。
 もし戦争になってしまったら、孤児院で暮らす彼女達にも、被害が及ぶかもしれない。
「父にしては、強引で雑な手口です。冤罪で王妃陛下を投獄するなんて」
 父ならば、もっとうまく立ち回るのではないか。
 サーラがそう言うと、ルーフェスも頷いた。
「もう帝国など敵ではないと思って慢心していたのか。もしくは、戦争を引き起こすことが目的だったのか」
 さすがに戦争になってしまったら、リナン王国にも利はない。
 だが父には、エドリーナ公爵にはあったのかもしれない。
 娘ですら駒でしかなかった、あの父だ。国王陛下の側近ではあったが、心から忠誠を誓っていたかどうかは、怪しいところだ。
「……これからどうなるのでしょうか」
 不安になって、サーラはルーフェスを見上げた。
 レナート皇太子が皇帝になれば、戦争は避けることができるだろう。