婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 ルーフェスは、ようやくサーラが起きていることに気が付いたようだ。
 名前を呼び、柔らかな笑顔を浮かべる。
「すまない。起こしてしまったか?」
「ううん。帰って来るまで待つつもりだったのに、いつのまにか眠ってしまって」
「情報を得るのに、思っていたよりも時間が掛かってしまった。だが、ようやく仔細がわかった」
 ルーフェスはそう言うと、次の言葉を躊躇うようにサーラを見た。
「どうしたの?」
「この件には、リナン王国が深く関わっていた」
「えっ……」
 捨て去ったはずの祖国の名を耳にして、思わず驚きの声を上げる。
「伝えるべきか迷ったが、いずれ耳に入るだろうから、俺の口から伝えておこう。リナン王国の国王。そしてエドリーナ公爵が、この件には深く関わっていた」
「父が……」
 エドリーナ公爵は、サーラの父だ。
 娘を道具のように使い、カーティスを言葉巧みに操って、王太子の地位を捨てさせた。その父は、今度は何をしたのだろう。