婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 床に水を零して途方に暮れていたときも、呆れたような顔をしながらも片付けを手伝ってくれた。
 町に出かけたあの日は、無知なサーラが雷鳴の鳴り響く中、大木の下で雨宿りしているところを見つけて、危険だと教えてくれた。
 そうして、父の非情な命令に生きる気力さえなくして、死んでしまいたいと口走ったサーラを、この共和国まで連れてきてくれたのだ。
 旅の途中でも、数えきれないくらい、ルーフェスには助けられている。
 その度に、心が穏やかに温かくなるような、優しい感情が心の中に芽生えていた。
(わたしはきっと、ルーフェスのことを……)
 好ましく思っている。
 そう思った途端に頬が紅潮して、サーラは両手で頬を覆った。
 芽生え始めた想いを押し込めるように、きつく目を閉じる。
 この想いを今、外に出してはいけない。
 ルーフェスは今、妹の死の真実と向き合おうとしている。
 そんな彼を支え、今までの恩返しをしなくてはならない。
「サーラ?」