婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

「あなたがわたしにやってくれたことを、そのまま返しているだけよ」
 どちらからともなく手を伸ばして、しっかりと握り合う。
 祖国に帰ったルーフェスに待っているのは、さらに残酷な現実だろう。
 でも、どんなときでもこうして彼を支える。サーラは、ひそかにそう誓っていた。

 翌日。
 サーラはルーフェスとともに、ようやく辿り着いた安住の地を出発した。
まさか、こんなにすぐに他の国に行くことになるとは思わなかったが、ルーフェスのためだ。
 ソリーア帝国には海がないので、陸路で行くことになる。
 それでもこのティダ共和国とは隣国なので、リナン王国からここまで来た道のりの半分ほどだ。
 サーラは、いつにも増して口数の少ないルーフェスの様子を気遣いながら、馬車の中でソリーア帝国までの道のりと、日程を何度も確認していた。
 旅は順調で、馬車は日が暮れる前に、今日の目的地だった大きな町に辿り着くことができた。
 今夜はこの町に泊まり、大きな河を渡し船で移動して、また次の町を目指すことになっている。