婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 そんな言葉は聞きたくない。
 あのときの心の痛みを思い出して、思わず感情的になりそうになる。
(もう、終わったことよ。すべて、過去のこと)
 そう自分に言い聞かせる。
 今さら終わったことの話し合いをして、何になるというのか。
 だがカーティスはサーラとは違い、昔のことばかり話す。このままでは彼が納得しない限り、何度でも修道院を訪れるだろう。
 だから仕方なく、彼との会話を続けることにした。
「聖女であるエリーに嫉妬して、そんなことを言うのだろう。殿下はそうおっしゃいました。何を言っても信じてくださらない方と話をすることに、わたしも疲れ果ててしまったのです」
 正直にそう答えると、カーティスは唇を噛みしめて俯いた。
「……たしかにそれは、俺が悪かった。エリーに夢中だったんだ。彼女を守るために、過剰に反応していたことは認める」
「謝ってほしいわけではありません。本当にもう、すべて終わったことなのです」
 カーティスの言葉は、本当に今さらだった。