婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 縋るように自分の手を握っている彼の言葉に、サーラも頷く。
「わたしも一緒に行くわ」
ルーフェスがサーラを自由にしてくれたように、今度は彼を支えたいと、強く思う。

 サーラはすぐに行動を開始した。
 まずパン屋の店主に、少し国を離れなければならない事情ができたことを告げる。
もともとサーラが働いていたパン屋は、店主が出産と育児のため、しばらく休むことになっていたから、迷惑をかけずに済んだ。
 それから家を借りている家主のところに行って、長期間留守にすることを告げ、家賃を半年ほど前払いで支払った。
 それからカーティスに、手紙の返事を出す。
 ほとんど同時になってしまうかもしれないが、こちらがソリーア帝国に辿り着く、数日前には届くはずだ。
(あとは、馬車の手配と、旅の準備ね)
 帰りに商店街に寄って、水や食料などの必要なものを買い込んだ。
 馬車は乗り合い馬車にしようと思っていたが、今の彼の状態では、大勢の中に押し込められるのはつらいかもしれない。