◆ ◆ ◆
リナン王国の王太子カーティスは、父王の前に立って項垂れていた。
禁止されていたにも関わらず、元婚約者のサーラに会いに修道院に行ったことを咎められたのだ。
「王太子であるお前は、個人の感情ではなく国のために生きなくてはならないのだぞ」
重々しい父の声が、呆れを含んでいる。
カーティスがサーラに会いに行ったのは、一度だけではないからだ。
父の叱咤に何も答えることができず、カーティスはただ俯くだけだった。
「それができないのであれば、王太子の地位を返上するがいい」
「!」
サーラに償うことばかり考えていたカーティスも、さすがにその言葉には動揺した。
「それは……」
このままでは廃嫡されて、異母弟が王太子になってしまう。
今はまだ良い。
父が亡くなって異母弟が王になったときのことを考えると、何も言えなくなっていた。
サーラのことよりも、保身を考えていたのだ。
我ながら、自己中心的な考えだと呆れ果てる。
リナン王国の王太子カーティスは、父王の前に立って項垂れていた。
禁止されていたにも関わらず、元婚約者のサーラに会いに修道院に行ったことを咎められたのだ。
「王太子であるお前は、個人の感情ではなく国のために生きなくてはならないのだぞ」
重々しい父の声が、呆れを含んでいる。
カーティスがサーラに会いに行ったのは、一度だけではないからだ。
父の叱咤に何も答えることができず、カーティスはただ俯くだけだった。
「それができないのであれば、王太子の地位を返上するがいい」
「!」
サーラに償うことばかり考えていたカーティスも、さすがにその言葉には動揺した。
「それは……」
このままでは廃嫡されて、異母弟が王太子になってしまう。
今はまだ良い。
父が亡くなって異母弟が王になったときのことを考えると、何も言えなくなっていた。
サーラのことよりも、保身を考えていたのだ。
我ながら、自己中心的な考えだと呆れ果てる。



