婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

「ああ。だが、サーラの名前で借りることになってしまうな」
「そうね」
 ここに辿り着くまで、彼にはずっと世話になっていたのだ。
 恩返しをするのなら今だと、サーラは明るい笑みを浮かべた。
「わたしに任せて。ルーフェスは許可が下りるまで、ゆっくりしていたらいいわ」
 彼にも、ゆっくりと心を癒す時間が必要なのだ。
 むしろ、もう少し後でもいいくらいだ。
 その間はサーラがしっかりと働いて、ルーフェスを休ませてあげたい。
 翌日からさっそく、ふたりで住む家を探すことにした。
 働く予定のパン屋にも許可証が発行されたことを報告すると、彼女はとても喜んでくれた。さらに事情を知ると、近所にある空き家を紹介してくれたのだ。
「少し前まで、老夫婦が住んでいたんだけどね。子どもたちと一緒に暮らすことにしたからと言って、引っ越していったのよ」
 家を借りたい人がいたら教えてほしいと言われていたそうだ。
 さっそく見せてもらうと、少し古いが庭もある大きな一軒家だ。
「素敵だわ」