婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 ゆっくり移動してきたとはいえ、馬車での移動が長かったために、さすがに身体は疲れていた。
 サーラは部屋の奥に荷物を置くと、寝台に座った。
 寝室もふたつあって、サーラはひさしぶりにひとりになった。
 ひとりになるなんて、公爵家で暮らしていたとき以来だ。
 物音ひとつしない部屋はあまりにも静かで、少し寂しくなる。
 ルーフェスの傍に行きたい。
 会話はなくとも、隣に彼の存在を感じるだけで、きっと安心するに違いない。
(どうしようかな……)
 しばらく考えたあと、部屋を出てリビングに向かう。するとそこには、期待していたように荷物の整理をしているルーフェスの姿があった。
「どうした?」
「ちょっと喉が渇いて。お茶を淹れようかなって」
「そうか」
 彼が荷物の中から旅の最中に使った食器と茶葉を出してくれたので、それを持ってキッチンに向かう。
 お茶を淹れるのも、ようやく慣れてきた。
 二人分のお茶を淹れてリビングに戻り、ひとつをルーフェスに手渡す。
「ああ、ありがとう」