婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 彼と対面しているだけで、精神がひどく疲労する。
 わたしのために何かしたいのなら、もう放っておいてください。
 最後に投げ捨てるようにそう言うと、カーティスは長い間俯いたあと、やがてまた明日来ると言って、部屋を出て行った。

「俺はあの後、父にエリーを聖女として認定するべきだと進言した」
 翌日。
 再び修道院を訪れたカーティスは、聞いてもいないのにそう語り出した。
 これ以上彼と顔を合わせたくないが、世話になっている院長の立場を思えば、王太子を門前払いすることもできない。
 談話室には今日も、この修道院で雑用をしてくれる壮年の男性、ウォルトが同席してくれた。
 近頃腰痛に悩まされているという彼を、長時間固い椅子に座らせておくのはとても気の毒だ。でも優しいウォルトは、かえってサーラを気遣ってくれた。
 よほど、顔色が良くなかったらしい。
 でもカーティスはそんなことにはまったく気付かずに、ただひたすら自分のことを語っていた。