婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 でも、あのときのカーティスの冷たい言葉も、役立たずだと言わんばかりの両親の視線も、もうすっかり過去のことだ。
 今のサーラの心を、傷つけることはできない。
 過去の亡霊でしかなかった。
 そう思えるようになったのは、孤児院で出逢った人々と、何よりもルーフェスのお陰だ。
 馬車を降りたふたりは、早速今夜の宿を探すことにした。
 きちんとした宿は、早く探しておかないとすぐに満員になってしまう。馬車の御者が、そう助言してくれたのだ。
 しかも大陸中からいろいろな人が集まっているので、少し危ない場所もあるらしい。
 でも町の中心部はきちんとした警備団が見回りをしているので、裏道にさえ入り込まなければ、女性ひとりでも歩ける。
 ルーフェスは、その安全な地区に今夜の宿を取り、今日はそれぞれの部屋で休むことにした。
 ここは長期滞在用の宿で、部屋もいくつかあり、キッチンも備え付けられていた。
 しばらくはこの宿が、生活の拠点となるだろう。