婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 きっぱりとそう言われてしまえば、頷くしかなかった。

 そうして、ふたりはようやく目的であるティダ共和国に辿り着いた。
 国境前で貸し切り馬車を下りると、たくさんの馬車が待機しているのが見えた。
 ここからはまた、別の場所で共和国の首都を目指す。
 長い逃亡の旅は、もうすぐ終わる。
 用心深いルーフェスのお陰で、一度も追手に見つかることもなく、無事にここまで辿り着くことができた。
 あと少しで、サーラはすべてのしがらみから解き放たれて、自由になれるのだ。


 思えば、長い道のりだった。
 目の前に広がるティダ共和国の首都の景色を眺めながら、サーラは今までのことをひとつずつ、思い出していた。
 王太子だったカーティスと婚約した日。
 聖女を名乗るエリーが、彼と恋人のように寄り添っている様子を見てしまった日。
 婚約破棄を言い渡され、すべてがどうでもよくなって、受け入れたときのことも。