婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

「今は、俺がいる。君の願いを必ず叶えてみせる」
 亡くなってしまった妹の身代わりかもしれない。
 でも、サーラの味方だと言ってくれる。
 自由に生きたいという願いを叶えると言ってくれる。
 それがこんなに心強いなんて思わなかった。
 思わず涙が滲んできて、俯いた。
「……ありがとう」

 町で情報収集してきたルーフェスによると、今回の船でかなり多くの人がこの国に来ていたようだ。
 今のところ、サーラを探している人はいない。
 だが、サーラの父が国外に目を向ける前に、遠くまで逃げたほうがいい。
「そろそろ町を離れよう」
「ええ、わかったわ」
 そんなルーフェスの申し出に、サーラは迷いなく頷いた。
 数日過ごしただけだが、海を離れるのは少しだけ寂しい。
 あの雄大な景色を眺めていると、心が穏やかになる気がする。
 今はまだ逃亡生活の途中。
 ここに留まることはできないとわかっている。
 でもいつかまた、海を眺めることができればと思う。

 ここからは陸路で、ティダ共和国を目指すことになる。