婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

「そうだとしたら、どんなに……」
 そう言いかけた彼は、サーラの立場を思い出したのか、言葉を切った。
「いや、あなたがそう言うのなら、そうだったのかもしれない」
 サーラの願い通り、後悔と喪失感に囚われていたルーフェスの表情に、ほんの少しだけ希望が灯る。
 いつまでも兄が後悔し続けることを、きっとエリーレは望んでいない。
 ルーフェスが妹を大切に思っていたように、彼女もまた、たったひとりの兄を愛していただろうから。
「サーラは、妹よりも過酷な状況で、ひとりで戦っていたのか」
 エリーレの魂が、安らかに眠れるように祈っていたサーラは、ふとそんなルーフェスの言葉に顔を上げた。
「味方になってくれる人がいるとは、最初から思っていませんでした。だから、エリーレ様よりも過酷かどうかは……」
 愛されたことなどなかったから、誰にも期待はしていなかった。
 だから愛を知っていたエリーレの方が、つらかったのかもしれない。
 そんなことを言って首を傾げたサーラの手に、ルーフェスがそっと触れる。