婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 それだけすべてを賭けて守っていた存在を、彼は失ってしまった。
 エリーレが亡くなってしまったのは、もちろんルーフェスのせいではない。
 不運が積み重なってしまった結果だ。
 むしろ皇太子よりもルーフェスの存在こそが、エリーレの心の支えになっていたのではないかと、サーラは思う。
(わたしには、誰ひとりとして味方がいなかったから、よくわかるわ)
 父にとって、サーラは道具。
 兄に至っては、ここ数年、顔も合わせていない。
 両親はサーラの味方をするどころか、婚約を破棄されたとき、率先してこちらを責めてきた。
 もしあのとき、今のようにルーフェスが傍にいてくれたら。
 そんなことを考えても無意味だとわかっているのに、ついそう思ってしまう。
 しかもサーラと違って彼の妹は、婚約者である皇太子にも深く愛されていたのだ。偽聖女が囁く甘い言葉にすっかり騙されて、サーラを嫌悪して責め立てたカーティスとはまったく違う。
 不幸にも若くして亡くなってしまった人を、羨ましいなんて思ってはいけない。