そうすれば、妹がピエスト侯爵から目の仇にされることもないだろう。
だがエリーレの懇願もルーフェスの嘆願も、皇太子は届かなかった。彼は周囲の反対の声を退けて、ほぼ独断でエリーレを最初の婚約者として正式に発表してしまったのだ。
予想外のことに驚き、ルーフェスは慌てて王都に向かった。
ひさしぶりに再会した妹は、心労のためかすっかりやつれていた。
「お兄様……」
「エリーレ」
兄に会うなり泣きついてきた妹の細い身体を、ルーフェスはしっかりと抱きしめる。
「どうしてこんなことに。皇太子殿下は……」
「殿下は、わたしを守るためにはこうするしかなかった、とおっしゃいました。側妃候補では、わたしを侮り、害しようとする輩が必ず現れるからと」
たしかに皇太子妃候補と側妃候補では、配置される警備の人数がまったく違う。
だがエリーレの懇願もルーフェスの嘆願も、皇太子は届かなかった。彼は周囲の反対の声を退けて、ほぼ独断でエリーレを最初の婚約者として正式に発表してしまったのだ。
予想外のことに驚き、ルーフェスは慌てて王都に向かった。
ひさしぶりに再会した妹は、心労のためかすっかりやつれていた。
「お兄様……」
「エリーレ」
兄に会うなり泣きついてきた妹の細い身体を、ルーフェスはしっかりと抱きしめる。
「どうしてこんなことに。皇太子殿下は……」
「殿下は、わたしを守るためにはこうするしかなかった、とおっしゃいました。側妃候補では、わたしを侮り、害しようとする輩が必ず現れるからと」
たしかに皇太子妃候補と側妃候補では、配置される警備の人数がまったく違う。



