婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 そう言って微笑むと、彼女は少し落ち込んだ様子でサーラに謝罪して、立ち去って行った。その後ろ姿を見送り、複雑な思いのまま、部屋に戻る。
 真っ暗な部屋に入り、灯りをつけずにそのまま寝台の上に座った。
 心がざわついて、落ち着けない。
(ルースは、本当はルーフェスという名なの?)
 聞いてはいけない話だと判断した。それが間違っているとは思わない。けれど、気になってしまう。
(わたしは……)
 ふと、光が射した。
「サーラ?」
 心配そうな声に、ルースが帰ってきたのだと気が付いた。随分と考え込んでいたらしい。廊下を照らす光が、寝台に座ったままのサーラのところまで届いている。
「どうした?」
 彼は暗いままの部屋に座り込んでいるサーラの姿を見て、案じるような顔をしている。
「体調が悪いのか?」
「いいえ。少し、考えごとをしていて」
 慌てて立ち上がり、テーブルの上のランプに火を灯す。
 明るい光が、部屋の中を照らし出した。