「その前に、部屋まで送るよ」
ルースはそう言ってくれたが、サーラは首を振る。
「二階に戻るだけよ。心配しないで」
そもそも高級な宿なので、ここには身元のしっかりとした人しかいない。大丈夫だと言って笑うと、ルースは少し心配そうだったが、サーラの意見を優先させてくれた。
「ルースも、気を付けて」
「……わかった」
彼を送り出して、サーラはすぐに部屋に戻ろうとした。
宿屋内にある食堂なので、階段を登るだけでいい。それなのに心配そうだったルースの姿に、思わず笑みがこぼれる。
(そんなに心配しなくても、大丈夫なのに)
それでも、今までずっと両親にも婚約者にも放って置かれてきたサーラには、そんなルースの心配が少し嬉しい。大切にされているような気持ちになれる。
軽い足取りで、二階の部屋に向かった。
そんなとき。
「あ、あの……」
部屋に入る寸前に、ひとりの女性が、思いきった様子でサーラに声をかけてきた。
「え?」
ルースはそう言ってくれたが、サーラは首を振る。
「二階に戻るだけよ。心配しないで」
そもそも高級な宿なので、ここには身元のしっかりとした人しかいない。大丈夫だと言って笑うと、ルースは少し心配そうだったが、サーラの意見を優先させてくれた。
「ルースも、気を付けて」
「……わかった」
彼を送り出して、サーラはすぐに部屋に戻ろうとした。
宿屋内にある食堂なので、階段を登るだけでいい。それなのに心配そうだったルースの姿に、思わず笑みがこぼれる。
(そんなに心配しなくても、大丈夫なのに)
それでも、今までずっと両親にも婚約者にも放って置かれてきたサーラには、そんなルースの心配が少し嬉しい。大切にされているような気持ちになれる。
軽い足取りで、二階の部屋に向かった。
そんなとき。
「あ、あの……」
部屋に入る寸前に、ひとりの女性が、思いきった様子でサーラに声をかけてきた。
「え?」



