何のことなのか、聞くまでもない。サーラが作った歪なパンを思い出したのだろう。さすがにひどかった自覚があるので、サーラも苦笑するしかない。
「わたしも、もっと上手に焼けるようになりたいわ」
キリネの焼いたパンも、とてもおいしかった。懐かしむように言うと、ルースは静かに頷いた。
「やりたいことが見つかったようで、何よりだ」
「……そんなことでいいの?」
祖国を捨て、育ててくれた恩を返さずに逃げ出した負い目があった。危険を顧みず、無償で逃亡の手助けをしてくれたルースには、絶対に恩を返さなくてはと意気込んでいた。
それなのに彼は、サーラがパンを上手に焼けるようになりたいと言っただけで、それを喜んでくれる。
「もちろんだ。やりたいことが見つからずに苦しむ者もいる。それに、キリネも喜ぶだろう」
食事が終わり、ルースは定期的な情報収集のために町に出て行った。船が着いたばかりの町はかなり混み合っているが、そのほうが人混みに紛れることができるし、情報も集まるようだ。
「わたしも、もっと上手に焼けるようになりたいわ」
キリネの焼いたパンも、とてもおいしかった。懐かしむように言うと、ルースは静かに頷いた。
「やりたいことが見つかったようで、何よりだ」
「……そんなことでいいの?」
祖国を捨て、育ててくれた恩を返さずに逃げ出した負い目があった。危険を顧みず、無償で逃亡の手助けをしてくれたルースには、絶対に恩を返さなくてはと意気込んでいた。
それなのに彼は、サーラがパンを上手に焼けるようになりたいと言っただけで、それを喜んでくれる。
「もちろんだ。やりたいことが見つからずに苦しむ者もいる。それに、キリネも喜ぶだろう」
食事が終わり、ルースは定期的な情報収集のために町に出て行った。船が着いたばかりの町はかなり混み合っているが、そのほうが人混みに紛れることができるし、情報も集まるようだ。



