まして、裕福な商家の夫婦に扮して船旅をしているなんて思わないだろう。
(うん。それを思えば、まだ大丈夫そうね)
到着したばかりの頃は焦っていたサーラも、近頃はだいぶ落ち着きを取り戻していた。たまには、ルースと一緒に町に出ることもある。町の様子を眺める余裕も出てきたくらいだ。
(ここはもうルメロ王国なのね……)
町に出ると、あらためてここが祖国ではないことを思い出す。
生まれた国を出ることなど一生ないと思っていたのに、こうして男性とふたり旅をしている。
「サーラ」
ふと、背後から呼ぶ声がした。振り返ると、偵察に出ていたルースが戻ってきたようだ。
「おかえりなさい」
そう言って笑顔を向けると、彼も柔らかく微笑んだ。
最初に会ったときとは、比べものにならないくらい穏やかな表情。
夫婦らしく見えるように演技をしているせいか、彼とも次第に打ち解けてきた。男性が怖かったサーラも、ルースにだけは自然に接することができるようになっている。
(うん。それを思えば、まだ大丈夫そうね)
到着したばかりの頃は焦っていたサーラも、近頃はだいぶ落ち着きを取り戻していた。たまには、ルースと一緒に町に出ることもある。町の様子を眺める余裕も出てきたくらいだ。
(ここはもうルメロ王国なのね……)
町に出ると、あらためてここが祖国ではないことを思い出す。
生まれた国を出ることなど一生ないと思っていたのに、こうして男性とふたり旅をしている。
「サーラ」
ふと、背後から呼ぶ声がした。振り返ると、偵察に出ていたルースが戻ってきたようだ。
「おかえりなさい」
そう言って笑顔を向けると、彼も柔らかく微笑んだ。
最初に会ったときとは、比べものにならないくらい穏やかな表情。
夫婦らしく見えるように演技をしているせいか、彼とも次第に打ち解けてきた。男性が怖かったサーラも、ルースにだけは自然に接することができるようになっている。



