婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 夢の中のサーラは、そっと呟いた。
 現にカーティスは、それほど愛したエリーをあっさりと捨てている。どんな状況になろうとエリーを愛し抜くほどの気骨を見せてくれたのなら、まだ納得することができたというのに。
 でもそんなサーラの考えは、あの孤児院で働くようになってから、大きく変わった。
 失敗してばかりのサーラを許し、優しく導いてくれたキリネの愛情。さらに、亡くした妹を今でも大切に思っているルースの、兄としての深い愛情。
 両親から愛されず、兄ともほとんど会話をしたことのないサーラにとって、見返りを求めずにただ愛を注いでいるふたりの姿は、衝撃的なものだった。
 そして、気が付いたことがある。
 愛は、サーラの中にも存在していた。
 過酷な環境で必死に生きている孤児院の子どもたちを、愛しいと思った。しあわせになってほしいと、強く願っていた。
 愛を知らず、利用されるだけだった自分でも、誰かを愛することはできるのだ。
 それを知ったとき、サーラは初めて、自分の意志で生きてみたいと思った。