婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

(今のわたしにできるのは、できるだけ足手まといにならないようにすることね)
 楽な服装に着替えて、寝台に横になる。
 まだ波に揺れているかのような、不思議な感覚が続いていたが、いつのまにか眠りに落ちていた。

 そうして、夢を見ていた。
 目の前にいるのは、婚約者だったカーティス。
 彼は学園の庭園の片隅で、エリーをその腕にしっかりと抱きしめている。甘えるように見上げる彼女を、カーティスは愛おしむように見つめ、優しくその髪に触れた。
 まるで、愛し合う恋人同士のように。
 夢の中のサーラは、首を横に振る。
(いいえ。ふたりは、誰がどう見ても恋人同士だったわ)
 もし本当にエリーが聖女だったとしても、カーティスとこのように密着する必要などない。むしろ、王太子であろうと敬意と節度を持って接しなければならない。
 聖女とは、それほどまでに崇高な存在なのだから。
 だからエリーが聖女であることが、こうして彼女と密会している理由にはならない。