婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 天候も荒れず、恐れていた船酔いにもならずにすんだ。
 これほど安定した旅は珍しいと、船員たちが話していたようだ。運が良かったのだと思う。
 船は予定通り、五日後にルメロ王国の港に辿り着いた。
 この国と、サーラの祖国であるリナン王国とは交流が盛んで、船も頻繁に行き来している。だからか、港町も活気にあふれていた。
 たくさんの人たちが、大きな荷物を持って足早に歩いている。サーラ達もここから北に向かって進み、最終的にはティダ共和国を目指す予定である。
 だが数日はこの町に留まって、様子を見ることになっていた。
 少しでも早く、遠くに逃げたい。
 そう思ってしまうが、父がどこまでサーラの行方を掴んでいるのか不明である以上、用心を怠るべきではない。
(慎重に……。落ち着かないと)
 逸る気持ちを押さえつけて、安全に旅を進めようとする彼に従った。