許さない自分のほうが、ひどいことをしているような気持ちになってしまう。
だからサーラは、こう言うしかなかった。
「もういいのです、殿下。すべて終わったことですから」
自分に言い聞かせるように、サーラは静かにそう告げた。
だが、あんなに心酔していたエリーの言葉を、彼があっさりと嘘だと認めるとは思えない。
きっと、色々とあったのだ。
でも、詳細を聞きたいとは思わなかった。
本当にもう、彼らとは関わりたくない。その気持ちのほうが大きかった。
「一度起きてしまったことは、なかったことにはなりません。ですから殿下もわたしのことなど、もうお忘れください」
「そんなことはできない。君は被害者だ。何としても、君の名誉を回復しなければならない」
カーティスの熱のこもった言葉に思わず笑いそうになって、手で口もとを覆う。
(今さら、何を……)
よりによって王城で開かれた夜会で、彼が婚約者ではなくエリーをパートナーとしてエスコートした時点で、サーラの名誉など失墜している。
だからサーラは、こう言うしかなかった。
「もういいのです、殿下。すべて終わったことですから」
自分に言い聞かせるように、サーラは静かにそう告げた。
だが、あんなに心酔していたエリーの言葉を、彼があっさりと嘘だと認めるとは思えない。
きっと、色々とあったのだ。
でも、詳細を聞きたいとは思わなかった。
本当にもう、彼らとは関わりたくない。その気持ちのほうが大きかった。
「一度起きてしまったことは、なかったことにはなりません。ですから殿下もわたしのことなど、もうお忘れください」
「そんなことはできない。君は被害者だ。何としても、君の名誉を回復しなければならない」
カーティスの熱のこもった言葉に思わず笑いそうになって、手で口もとを覆う。
(今さら、何を……)
よりによって王城で開かれた夜会で、彼が婚約者ではなくエリーをパートナーとしてエスコートした時点で、サーラの名誉など失墜している。



