婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 サーラの美しい外見が仇となり、人身売買をしている裏社会の男達に目を付けられたのか。
 孤児院としては、ひとりしかいない雑用係を護衛につけたのだから、それ以上やれることはなかったのだろう。
 どちらにしろ切り捨てるつもりだった娘だが、カーティスが完全に身分を捨てる前だったのが、痛かった。
 カーティスはサーラの行方を必死に探しているが、その足取りを掴むのは難しいようだ。
 もし息子を王太子に復帰させたい王妃が帝国に助力を求めれば、カーティスが王太子に返り咲く可能性もある。そうなってしまえば、計画はすべて台無しだ。
 サーラさえ見つかれば。
 トリスタンは忌々しげにそう呟くと、さらなる調査を側近に命じた。
 何としても娘を見つけ出し、連れ戻さなくてはならない。



◆ ◆ ◆


「わたしのこと、聖女だって……。王妃にしてくれるって言っていたじゃない!」
 目の前にいる赤髪の少女が、必死にそう叫ぶ。
 男爵家の令嬢、エリーだ。
 鮮やかな赤髪と白い肌。