婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 そんなトリスタンでも予想外だったのは、聖女を騙るひとりの少女の存在だった。
 カーティスは彼女に夢中になり、おとなしい性質の娘は、ただ耐えるだけだった。それに加えて、これ以上エドリーナ公爵家の力が強まるのを危惧した者達が、聖女を騙るエリーを利用しようとしていた。
 さまざまな思惑を持った者達が暗躍している。
 国が乱れることを恐れた国王は、この件を使用してカーティスを表舞台から遠ざけようとしていた。
 それは、サーラを切り捨てることを前提とした案だった。
 まずはカーティスとサーラの婚約を破棄し、娘は傷心のために修道院に入ったことにする。
 実際、それを命じたのは父親であるトリスタンだが、サーラはカーティスの心変わりに傷つき、自分から世を捨てたように見せかけた。
 次にその原因となったエリーを、聖女を騙った罪で捕らえる。
 そうすればエリーに近寄った者達も、共犯として排除することができる。これはエドリーナ公爵家を快く思わない者達が中心だろうから、トリスタンとしても歓迎すべきことだ。