婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 ここよりも広くて高価な部屋も、もっと小さくて安価な部屋もあるらしい。この部屋は比較的、平凡な価格のようだ。
 目立たないようにするには、普通が一番良いらしい。最高級の部屋とは違って窓はない。とても眺めが良くて、部屋の中から海を一望できるらしいが、今は外部から侵入できる経路がないほうが安心だった。
 出航までは、まだ時間があるようだ。
 きっと船上では船員たちが忙しく動き回っているだろうか、ここはとても静かだ。
 サーラは部屋に落ち着いたあと、あらためてルースにお礼を言う。
「ここまで連れてきてくれて、本当にありがとう」
 なるべく言葉遣いを意識しながら、ルースを見つめる。
 旅の準備や裕福な階級に見えるための服装、商船ではく旅客船の代金など、相当なお金がかかったはずだ。孤児院の雑用係の仕事で支払えるような金額ではないことは、世間知らずのサーラにでもわかる。