婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 メニューはパンとスープ、そして果物が少し。公爵家の食事と比べたら、かなりシンプルなものだ。
 それでもパンは焼き立てだったし、スープは新鮮な海鮮で作ったらしくて、とてもおいしかった。
 こうしてルースと一緒に食事をしてみて、気が付いたことがある。
 彼はおそらく上流階級の人間だ。
 しかも、裕福な市民や下位貴族クラスではない。間違いなく上位貴族だ。サーラが彼を知らないことを考えると、他国の貴族だと思われる。
 口調や見た目はいくらでも変えられるが、生活態度を変えることはなかなか難しい。彼にとっては取り繕うことを忘れるくらい、幼い頃から自然と身に付いたマナーなのだろう。
 ほとんど会話もなく食事が終わり、ルースは慣れた手つきで片づけを始める。サーラも慌てて手伝うが、彼は不器用なサーラよりもよほど手慣れていた。生まれはともかく、今の彼はこの生活に馴染んでいることを知る。
 この生活を始めてから、どれくらい経過しているのだろう。
 彼はどこの生まれで、どうしてあの孤児院で働いていたのか。