婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 今の彼を見ていると、とてもそうは見えない。思わず聞き返したサーラに、ルースは頷く。
「ああ。ウォルトに色々と教えてもらったよ」
 サーラがキリネにたくさんのことを習ったように、彼もまた修道院で雑用をしてくれていたウォルトに学んだようだ。そう思うと何だか親近感が沸いてきて、思わず微笑む。
 促されるままに剥いてもらった林檎を食べて、薬を飲む。
「少し休んだほうがいい。きっと薬が効いて、楽になるはずだ」
「ええ。ありがとう……」
 布団に潜り込みながら礼を言うと、小さな子どもにするように、頭を撫でられた。両親にだって、こんなふうに触れられたことはない。何だか恥ずかしくなって、慌てて目を閉じる。
 そのまま静かに黙っていると、彼は部屋を出ていく。
 予算と警備の関係上、部屋は同室だったが、ルースはサーラが休んでいる間はいつも、こうして外に出てしまう。
 気遣ってくれているのだろう。
 でもサーラは、ルースがきちんと休めるか心配になってしまう。