婚約破棄した相手が毎日謝罪に来ますが、復縁なんて絶対にありえません!

 一刻も早くこの国を出でティダ共和国に行きたいのに、自由にならない身体に憤りを感じる。それに、ルースにも迷惑を掛けてしまった。
「ごめんなさい……」
 予定が狂ってしまったことを詫びる。
 船の手配もしてくれていただろうに、すべてキャンセルしなければならなかった。
 だが彼は、一度もサーラを責めなかった。
「謝罪の必要はない。船の手配もすべてお前のためだ。お前が乗れないのなら、意味はないのだから」
 そう言って、熱を出したサーラの面倒を見てくれる。
 彼には彼の事情があるとわかっている。
 ルースは、亡くなってしまったらしい妹と、自分を重ねてみているだけだ。
 でも、こんなにサーラのことだけを考えて動いてくれた人は、今までいなかった。
 思わず涙が滲みそうになる。
「ここなら人が多いから、しばらくは安全だろう。船旅はそれなりに過酷だ。ここでしっかりと体力を回復させてから進もう」
「……はい」