悠くんはまだ一緒にいてくれて、うちで夕飯を食べていった。

悠くんがいなかったら、食事が喉を通らなかったかもしれない。

食事を終えた今、私は悠くんの膝の上に向かい合うように座らされていた。


「私、重くない?」


小柄ならまだしも、背が一六○後半もあるから膝が壊れないか心配だ。


「響は軽いよ。少し太ってもいいくらい」


悠くんは何ともないと言いたげに

腰に悠くんの腕が回ってぎゅっと抱き締められる。

ふふ、少しこうされたい……。

うっとりと悠くんの心地いい体温に浸っていると、ふと、一つの不安がよぎった。


「あの、悠くん」

「ん?」

「あの時の男の人とのやり取り、聞いたよね……私……」


男を惑わしているとか、手玉に取っているとか……。

他の人なんて興味がないし、悠くんしか好きになれないの。


そんな不安を隠せない私だったけど、悠くんはいつもと変わらない笑顔を見せてくれた。


「あんなのデタラメだって分かってるから」

「良かった……」


悠くんは真に受けることなく、私を信じてくれた。


「響、好きだよ」


唇が私のものと重なり合った。

甘ったるいキスに、溶けてしまいそうだ。


「私も、悠くんがすき、です……」


しばらくは抱き締め合ったり、触れるだけのキスを繰り返しながら甘い空気に浸っていた。