アルバイト募集!? しかも住み込み可!
ここなら高校からも近い。
住み込みなら家賃も浮かせられる。
これって、運命かも!
「はいこちら、商品の大福……」
「あのっ!」
私は思い切って店員のお兄さんに質問してみた。
「アルバイトって、まだ募集してますか!?」
「し、してるけど」
しどろもどろになる店員さんに、私は食い気味に言った。
「私、ここで働きたいですっ、住み込みで!」
「えっ……失礼だけど、君、いくつ?」
あ、そっか。
背が小さいから、この店員さん、私のこと子供だと思ってるんだ。
私は慌てて答えた。
「高校一年生です! 童顔だから、子供に見えるけど、高校生だから大丈夫です!」
店員さんは、しばらく私を見つめたあと、小さく息を吐きながら言った。
「……分かった。とりあえず、明日の放課後、履歴書を持ってまたこの店に来てくれる? 面接するから」
やったあ。
ひょっとして高校生は雇ってくれないのかと思ったけど、面接してくれるんだ!
「はい、分かりました!」
私は胸を弾ませながら頭を下げた。
良かった。
こんなに簡単に良い条件のアルバイトが見つかるだなんて。
これって運命かも。
こうなったら、絶対にあの和菓子屋さんで働いてやるんだから!