「ありがとうございましたー!」
いつものように、私が常連のおばあちゃんを見送り頭を下げていると、横から声をかけられた。
「よっ、花帆」
「本当だ、花帆が働いてる」
ぎょっとして顔を上げると、店の前に立っていたのは、莉茉ちゃんと清ちゃんだった。
「り、莉茉ちゃんに清ちゃん! どうしたの、二人とも」
「どうしたのって、花帆が働いてるところを見に来たんだよ」
清ちゃんが胸を張る。
「ついでに秋葉くんもね!」
と、莉茉ちゃんが付け足す。
「り、莉茉ちゃん、秋葉くんのこと清ちゃんに話したの!?」
私が莉茉ちゃんの耳元で囁くと、莉茉ちゃんはペロリと舌を出して手を合わせた。
「ごめんごめん、二人はどうして付き合うことになったんだってしつこく聞かれたから、同じバイトで働いてるってことだけ話しちゃった」