夏のお中元シーズンまであと少し。
夏のお中元シーズンと冬のお歳暮シーズンは、和菓子屋にとってかきいれ時。
そんなわけで、兎月堂でも新商品を出すべく悠一さんと秋葉くんは色々と考えているんだ。
でも、それがあんまり上手くいってないみたいなんだよね。
それで教室の中でも、あんなに悩んでいるというわけ。
「でも意外。秋葉くんが和菓子にそんなに真剣だなんて」
莉茉ちゃんがチラリと秋葉の方を見る。
「うん、私も意外だったんだけど、秋葉、チャラそうに見えて、和菓子に対するこだわりは凄いみたいなんだよね」
「へえ、そうなんだ」
前までは、こんな風に不機嫌な秋葉を見ても怖いとしか思わなかっただろうな。
でも今は違う。
秋葉は和菓子に関する知識も情熱も凄い。
あんな風に真面目な秋葉の姿、知ってるのはきっとクラスでも私だけなんだろうな。
***
放課後になり、私はいつものように和菓子屋のバイトを開始した。
人の入りは、雨の日とあってあまり多くない。
私が店内の掃除をしていると、秋葉が声をかけてきた。
「花帆、俺は中で兄貴と新商品の打ち合わせをしてるから、混んだら呼んでくれ。時間になったら上がっていいぞ」
「うん」
私は厨房へと駆けていく秋葉の後ろ姿を見送った。
夏のお中元シーズンと冬のお歳暮シーズンは、和菓子屋にとってかきいれ時。
そんなわけで、兎月堂でも新商品を出すべく悠一さんと秋葉くんは色々と考えているんだ。
でも、それがあんまり上手くいってないみたいなんだよね。
それで教室の中でも、あんなに悩んでいるというわけ。
「でも意外。秋葉くんが和菓子にそんなに真剣だなんて」
莉茉ちゃんがチラリと秋葉の方を見る。
「うん、私も意外だったんだけど、秋葉、チャラそうに見えて、和菓子に対するこだわりは凄いみたいなんだよね」
「へえ、そうなんだ」
前までは、こんな風に不機嫌な秋葉を見ても怖いとしか思わなかっただろうな。
でも今は違う。
秋葉は和菓子に関する知識も情熱も凄い。
あんな風に真面目な秋葉の姿、知ってるのはきっとクラスでも私だけなんだろうな。
***
放課後になり、私はいつものように和菓子屋のバイトを開始した。
人の入りは、雨の日とあってあまり多くない。
私が店内の掃除をしていると、秋葉が声をかけてきた。
「花帆、俺は中で兄貴と新商品の打ち合わせをしてるから、混んだら呼んでくれ。時間になったら上がっていいぞ」
「うん」
私は厨房へと駆けていく秋葉の後ろ姿を見送った。