そしてそれから数日間、クラス中、いや学校中の女の子たちが私のことをウワサしていて大変だった。

「ねえねえ、あの子ー?」
「えー、イメージと違う!」

 表立った嫌がらせはされない。

 だけど秋葉ファンの女の子たちが私を見てウワサしているのが分かる。

「あの子よりだったら、あっちゃんの方が可愛くない?」
「だよねー、先に告白したもん勝ちっていうか」
「みんな遠慮してたのに、一人だけずるいよねー」

 私がそんなヒソヒソ話に身を縮こまらせていると、清ちゃんが教室のドアの所から手招きをしてくる。

「花帆、花帆、大丈夫か?」

「大丈夫だよ、清ちゃん。そんなに心配しなくても。ほら、莉茉ちゃんもいるし」

「本当か? 顔色悪いぞ。もしイヤだったら、休み時間は俺のクラスに来るか? 何だったら、お昼も俺と一緒に――」

 清ちゃんがそこまで言いかけた時、後ろから声が降ってくる。

「大丈夫、俺がついてるからご心配なく」