「……誰がダメだって?」

 金髪頭がひょいっと顔を出す。

 ドアの所に立っていたのは、まさかの秋葉だった。

「――花帆、誰そいつ」

 秋葉がじろりと清ちゃんを睨む。

「清ちゃんは、私たちの幼馴染……みたいな感じかなっ」

「ふーん」

 秋葉は、ちょっと不機嫌そうな顔をすると私の腕をグイッと引っ張った。

「花帆、俺たち付き合ってるんだから、他の男とあんまりベタベタすんなよ?」

「べ、別にベタベタなんて――」

 言い返そうとしたけど、秋葉がつかんでいる手にギュッと力を込めたのでやめる。

「わ、分かった」

 私が下を向くと、清ちゃんは大きなため息をついた。

「……まあ、とりあえず花帆のことを好きなのは本当そうだな。莉茉、行こう」

「う、うん。ばいばーい、秋葉くん」

 そう言うと、清ちゃんと莉茉ちゃんはどこかへ行ってしまった。

 もう、いくら付き合ってるフリしてるからって、やりすぎだよ!