「きゃあーっ!」
「秋葉くーん!!」

 割れんばかりの歓声の中、ひょいっとグラウンドを覗き込むと、ちょうど秋葉が味方からパスを受けたところだった。

「守れ、守れ!」

 だけど敵チームは、二人がかりで秋葉を囲んでくる。

 うわあ、囲まれちゃったよ。ボール、取られちゃうかな?

 そう思ってみていると、秋葉は軽い身のこなしでひょいひょいとフェイントを入れ、二人をかわす。

 そしてそのままドリブルでもう一人を抜き、軽々とゴールを決めてしまった。

「きゃあああああああっ!!」
「すごーーーーい!!」
「カッコイイ! 秋葉くんー!!」

 グラウンドを揺らすような悲鳴。

 私はあっけにとられてしまった。

 わ。秋葉、顔がイケメンなだけじゃなく、運動神経もいいんだ。

 でも今のは確かに、かっこよかったかも。

 爽やかな笑顔で男子たちとハイタッチをする秋葉を、私はじっと見つめた。

 なんだか、普段お店や家で見てる秋葉と全然違う人みたい。