一時間目は体育。
今日は女子はソフトボール。男子はサッカーをやることになってる。だけど……。
「きゃあ、秋葉くん!」
「秋葉くーん、カッコイイ!」
女子たちは、ソフトボールそっちのけで秋葉の応援に夢中。
「全くもう」
私がグローブを手にぶつくさ言っていると、莉茉ちゃんが腕を引っ張った。
「ねぇねぇ、うちらも秋葉くんたちの試合見に行こうよ!」
「う、うん……」
正直、乗り気じゃなかった。
けど、莉茉ちゃんが見たいなら仕方ない。
これじゃ授業にならないし。
先生もやる気がなくて全然注意してくれないし。
「花帆、こっち空いてるよ」
黒山の人だかりをかき分け、私たちは何とか男子の試合が見える場所を確保した。