「花帆、店内の飾り付けはどうだ?」
翌日、私が店内の飾り付けをしていると、奥で開店準備をしていた秋葉がやってくる。
「うん、順調だよ。ここの飾り付け、どうかな?」
「いいな。でもこのポップはもうちょっと下にずらしたらいいかもな。これだと商品が見えにくいから」
「うん」
秋葉に言われた通り、ポップを貼り直す。
「うん、いい。なんだかお店が明るく見える」
ポップだけじゃない。
朝顔やひまわりの造花、すだれ、うちわや風鈴。
うーん、殺風景だった店内がずいぶんと華やかになったように見えるなあ。
「いらっしゃいませ」
開店時間。
さっそくお客さんが入ってくる。
やってきたのは、佐藤さんという近所に住む常連のおばさんだ。
佐藤さんはお店に入ってくるなり、キョロキョロと店内を見回した。
「あら、今日はお店の雰囲気が違うのね」
「ええ、もうすぐ夏なので少し模様替えを」
「いいじゃない。この店、味は確かだけど少し地味だったから」
「あはは、そうですか?」
常連さんにもそう言われてしまうなんて、このお店、やっぱり地味だったんだなぁ。


