「お前のも美味しそうだな。食べてみろよ」

 秋葉は、私の目の前に置かれた可愛らしいクリーム白玉あんみつを指さした。
 
「うん」

 私は言われた通り、あんみつを一口すくって食べてみた。

 ほろ苦い抹茶のババロアに、甘あんことクリームの味が美味しい。

 みかんとさくらんぼの酸味もたまらない!

「美味いか?」

「うんとっても。食べてみる? この抹茶の苦味が何とも言えなくて――」

「お、じゃあ食ってみようかな」

 秋葉は、私のスプーンを取ると、一口すくって口に入れた。

「うん、美味い」

 あ。

 私は思わず固まってしまう。

 これってまさか……間接キス!?

 いや、秋葉のお皿には和菓子用の小さなフォークみたいなのしかついてないから仕方ないんだけど……ないんだけどさ!