お店の中はちょっと混みあっていたけど、ちょうどお客さんが帰るタイミングと重なって、すぐに座ることができた。

「わぁ、良い雰囲気」

 落ち着いた雰囲気のテーブルには和柄の布が敷かれていてすごく素敵。

 江戸切子に入ったお冷をいただきながら、メニューを開く。

「何食べようかなぁ」

 ページをめくると、見るからに美味しそうな和菓子たちの写真が目に飛び込んできた。

 白玉あんみつ、抹茶アイス、くずきり、ぜんざい。どれも美味しそうで迷ってしまう。

「僕はこれにしようかな」

「私はこれ」

 しばらく考えた結果、秋葉くんが季節の生菓子を、私はクリーム白玉あんみつを頼むことにした。

 メニューを閉じると、初夏の爽やかな風がそよぎこんでくる。

 窓辺では、チリンと風鈴が揺れ、その向こうには庭木の新緑が見える。

 食器もインテリアも店員さんの制服も、どこもかしこもお洒落だなあ。

 人気があるのも分かる気がする。