「――ってことで、偶然アルバイトに応募した和菓子屋が、秋葉……くんのおうちだったの」

「えーっ、そうなんだ。すごーい!」

 目をキラキラと輝かせる莉茉ちゃん。

「そっかあ。じゃあ、花帆は土日の間、秋葉くんにみっちり手取り足取り仕事を教わって仲良くなったのね?」

 手取り足取りって!

 レジの中で密着したことを思い出して思わず赤面する。

「ち、違うっ、そんなんじゃないよ。それに、全然仲良くなんてないし!」

「そう? さっき凄く仲良さそうに見えたけどな。ほら、秋葉くんって女の子には結構冷たいし」

 私と莉茉ちゃんはこっそりと秋葉の様子を見た。

 秋葉は相変わらず女の子に囲まれて話しかけられたりプレゼントを渡されたりしているけど、素っ気ない態度。

 そうなのかな?

 少しだけ……仲良くなれたのかな?

 するとポケットに入れていたスマホがぶるりと震えた。

 見ると、秋葉からのメッセージが来ている。

 秋葉『俺らのこと、話したら殺すから』

 ひぇぇ、怖い!

 やっぱり、秋葉と仲良くなんてなれない! 無理だよ!