「おはようございます」

 声をかけると、台所で料理していた悠一さんと、朝食を食べていた秋葉が顔を上げる。

「ああ、おはよう」
「おはよ、花帆」

 じゅう、という音と卵とお肉の焼けるいい匂い。

 わあ、悠一さん、目玉焼きを焼いてくれてる!

「わあ、いい匂いですね」

「そこのイスに座って待ってて。今、花帆ちゃんの分も焼けるから」

「はい」

 言われた通り、秋葉の向かいの席に座る。

 やがて私の分の朝ご飯が運ばれてきた。

 秋葉と二人、向かいあって食卓を囲む。

 味噌汁にサラダに、目玉焼きとベーコン。

 ごく普通の朝ご飯。

 だけど、お母さんや叔母さんじゃなくて、悠一さんにご飯を作ってもらうのは、変な感じ。