ビターなアイツと甘い関係 ~毒舌王子と同居して、ナイショの甘いバイトはじめました~



「大丈夫?」

「は、はい! 大丈夫です!」

 秋葉に声をかけられた女子大生が顔を赤くする。あれれ。

「お姉さんも、ありがとうございました!」

「いえ、ありがとうだなんてそんな……」

「いえいえ、助かりました!」

 お辞儀をして去っていく女子大生。明るくていい子だな。

 女子大生の後ろ姿を二人で見送ると、私はほっと息を吐き出した。

「ふぅ」

「花帆、大丈夫か? 怪我してねーか」

 心配そうな顔をする秋葉。

「うんら私は大丈夫。それよりごめん、私、全然役に立たなくて」

 ぺこりと頭を下げる。

「んな事ないよ。相手は大きい男の人だし」

「でも私、美人でもないしちんちくりんだし、秋葉の隣に立つのに全然釣り合わなくて……」

 私は拳を握って下を向いた。

「せめて人の役に立つような人間になりたかったんだけど、いざとなったら全然駄目で」

「何言ってんだよ」

 秋葉は優しく私の背中を叩いてくれた。

「花帆はそのままで充分だよ。背伸びなんかする必要ない」

「はい……」

 私は秋葉のその言葉に、優しさに、ほんの少しだけ泣きそうになった。