空を覆うように広がる満開の桜のピンクと人の波。
公園はこの小さな町にこんなにも人がいたのかと思うほど混雑している。
「悠一さん、一人で大丈夫かなぁ」
「大丈夫だよ。今日はそんなに店には人は来ないだろ」
「そうだね」
それに悠一さんは大人だし、しっかりしてるしね。
私はテーブルの上のお花見団子に目をやった。
昨日までは桜餅と柏餅も並べていたんだけど、今日は屋台に並んでいるのは、このお花見団子一種類。
お会計をスムーズにするために秋葉が考え出したアイディアなの。
若いのにそんな事を考えるなんて、本当に凄いなぁって思う。