「そうなんだ」
チラチラと、白い雪が宙を舞う。
――ってそれ、プロポーズ!?
……な、わけないか。
まだ高校生だもんね。はーびっくりした。
「花帆は?」
「私もだいたい同じような……商売繁盛的な感じ」
そこまで言うと、秋葉はハッと顔を上げた。
「商売繁盛で思い出したけど、お店に飾るお札買ってきてって兄貴に言われてたんだった。買ってきていいか?」
「うん。じゃあ私、あそこでおみくじ引いてるね」
神社に来たら必ずおみくじを引くというのは私のちょっとした習慣。
おみくじって吉か小吉か凶しか引いたことないからあまり期待は出来ないんだけど、楽しいことには変わりない。
そう思いながら恐る恐るおみくじを開けると――なんと大吉だった。
願望《ねがいごと》:時をまて叶う
待人《まちびと》:来《きた》る
商売《あきない》:繁盛する
恋愛《れんあい》:この人ならばよし
縁談《えんだん》:良縁に恵まれる
何だかいい事づくめだあ。
それにしても――。
私は再びおみくじをチラリと見た。
『この人ならばよし。』
迷信だとしてもこれは信じたいところ。


