私は雑誌の写真をチラリと見た。

　はにかんだ笑顔は少し固くて、写真より本物の方がだんぜんいい。

　けど、それでも秋葉は、イケメン総選挙参加者の中では断トツにイケメンに見える。

　毎日顔を合わせてるし、感覚が麻痺してるけど、こうやって改めて見ると秋葉ってやっぱり整った顔をしてるんだな。

　これはもしかすると、イケメン総選挙、本当に優勝しちゃうかも。

　でも、秋葉は、ファンの子たちにここで働いてることを知られたくないだろうし、この記事は気に入らないだろうなぁ。

「あれっ、西塔さん」

　私と莉茉ちゃんが雑誌を手に話していると、横から声をかけられる。

「あっ、こんにちは」

　ずらりと並んでいたのは、クラスの女子たちだ。

「えーっ、西塔さんもここで働いてたの!?」
「もしかして、秋葉くんに誘われて？」

「あ、ううん。秋葉と同じバイト先で働き始めたのは偶然で……」

「そっかあ、じゃあ、それから秋葉と仲良くなったんだ」
「ほうなんだー。どうやって仲良くなったのか、ずっと不思議だったんだよね」

　納得したようにうなずく女子たち。