ビターなアイツと甘い関係 ~毒舌王子と同居して、ナイショの甘いバイトはじめました~


 私のことを女の子として意識してるのなら、あんなに簡単にみんなの前でキスなんかできないはず。

 好きな人とのキスは、もっと大切にしたいって思うはずだし。

 そんな二人の思いの温度差に気づいて、何だか嫌になる。

「はあ」

 胸が火傷するように痛い。

 私、本当に秋葉のこと好きなんだ。

 こんな酷いやつなのに。

 なんでこんなやつのこと、好きになったんだろう。

「――とにかく、気にすんな! なっ!」

 秋葉が馴れ馴れしく肩を組んでこようとする。だけど――

「やっ!」

 私はバッとその腕を振り払ってしまった。

 秋葉は一瞬キョトンとした後で、下を向いてポリポリと頭を搔いた。

「……分かったよ。もう、ベタベタしねーから」

 あ。

 ひょっとして、傷つけちゃったかな。

 しゅんと下を向く。

 でも仕方ないじゃん。

 好きな相手にキスをされて、体を触られて、平気で居られるわけないよ。

 私はちっとも平気ではいられない。

 だって、秋葉のこと、好きなんだもん。