「ち、違います!」

 私は勇気をだして声を張り上げた。

 けれど、戸波さんはそれよりもさらに大きな声を出す。

「ウソよ! あなたが本当の彼女だというなら、証拠を見せなさいよ!」

「そうよそうよ」

 とりまきの女の子たちも騒ぐ。

 ど、どうしよう……!

 私がオロオロしていると、急に後ろから肩をつかまれた、

「お前ら、何やってるんだ?」

 恐る恐る後ろを振り返ると、そこには派手な金髪のイケメン。

「あ、秋葉っ!?」

 秋葉は、私の腕をぐいっと引っ張って抱き寄せた。

 ふぁっ!?

「お前ら、俺の彼女に何やってんの?」

 低い口調で言い、女の子たちをにらみつける秋葉。

「そ、それは……」

 じり、と他の女の子たちが後退りする中、戸波さんだけが果敢にも前に出た。

「わ、私たちはただ、確認しただけよっ! 西塔さんが、偽彼女なんじゃないかって――」