というわけで、私たちが別れたっていうウワサが立ってるからもう大変。

「秋葉くん、次は私でどう!?」
「あんな女のこと、私が忘れさせてあげる!」
「家、私がっ!」

 ……毎度の事ながら、みんなグイグイいくよなあ。

「あー、もう、そんなんじゃねーって! うるせーな!」

 たまりかねた秋葉が教室を飛び出す。

 何だか大変そうだなあ。

 私は秋葉のファンたちに見つからないようにと、こっそりとカバンを置いた。

 はずだったんだけど――。

「あんた、ちょっといい?」

 私はいきなり女子の集団に囲まれた。

「ちょっと一緒に来なさいよ」

 ずいっと前に出たのは、暴走族の女総長だってウワサの不良女子・戸波(となみ)さんだ。

 うわあ! こ、怖い!

「話があるんだ」

 戸波さんは鋭い眼光で私を睨みつける。

「……は、はい」

 私は戸波さんや殺気立った女子の集団に逆らえるはずも無く、裏庭に連行された。